睡眠時無呼吸症候群・いびき

眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まったり、低呼吸(弱くなってしまう)になる病気です。

1時間の睡眠につき呼吸が5回以上止まってしまう(1回あたり10秒以上)、もしくは7時間の睡眠中に30回以上呼吸が止まってしまう場合は睡眠時無呼吸症候群と診断されます。また1時間あたりの呼吸停止回数に応じて軽症・中等症・重症と診断されます。

寝ている間に起こるのでご自身では気づきにくいですが、主な症状としては「いびき」「夜中に何度も目が覚める」「日中の倦怠感や頭痛」等があります。またご家族に呼吸が止まっていることを指摘されて来院される方もいらっしゃいます。

睡眠時無呼吸症候群の方は国内に200〜300万人いると言われています。しかし実際に治療を受けている方は全体の10〜15%程度だと言われています。
睡眠時無呼吸症候群は死にも直結する病気であるため、早めに治療しましょう。

原因

睡眠時無呼吸症候群の9割以上の方が、「閉塞型睡眠時無呼吸症」です。閉塞型睡眠時無呼吸症とは、何らかの原因で気道が塞がってしまうことで呼吸が止まる場合を指します。
歯科医院では、この閉塞型睡眠時無呼吸症の方が治療の対象となります。

閉塞型睡眠時無呼吸症の主な原因は下記の通りです。

1. ⾆筋の緩み

睡眠中に舌筋が緩み、舌が後方に落ちてしまう方がいます。結果、舌が軌道を塞いでしまうことで起こることがあります。

2. 顎が⼩さい

顎が小さいとご自身の舌が収まりづらく、軌道を塞いでしまうことがあります。特に我々日本人は顎が小さいので起こりやすいと言われています。

3. 噛み合わせ・⻭並び

噛み合わせや歯並びが悪いと、睡眠中に下顎が後ろにずれてしまい、軌道を塞いでしまうことがあります。

4. 肥満(⾸周辺の脂肪が多い)

特に首周辺の脂肪が多いと、気道が狭くなってしまいます。

リスク

睡眠時無呼吸症候群の方は、長時間寝ても体や脳が休まっていません。これによって日中の強い眠気や集中力の低下、疲労感があります。運転中に突然眠ってしまい、事故を引き起こすといったこともあります。

また呼吸が止まってしまうことで低酸素状態となり、高血圧や脳卒中、心筋梗塞といった病気のリスクが向上してしまいます。さらに夜間突然死を引き起こす可能性もあります。

睡眠時無呼吸症候群
の検査

当院ではパルスオキシメーターという機器で睡眠時無呼吸症候群の検査を行います。
パルスオキシメーターは脈拍と動脈血酸素飽和度を測定する機器で、睡眠時の呼吸状態を観察・記録できます。当院より貸し出したパルスオキシメーターを指先に装着し、一晩普通に寝るだけで簡単に測定できます。

本格的な検査が必要と判断した場合は、医科へ紹介させていただきます。

歯科医院で行う治療

舌が軌道を塞いでしまうことで起こっている場合、当院ではマウスピースによる治療を行います。
睡眠中にマウスピースを装着することで下の顎を前に出し、軌道を確保します。お口の形は患者さんによって異なりますので、オーダーメイドで作成します。
マウスピース作成は保険が適用されます。

噛み合わせが悪いことで起こっている場合は補綴物(詰め物や被せ物)が原因であることもありますので、場合によっては再治療を行います。顎の大きさや歯並びについては矯正歯科を提案することもあります。

さらに患者さんによっては生活習慣の改善を行い、首周辺の脂肪を落とすようにアドバイスを行います。