インプラントの寿命は?寿命を縮める原因と耐用年数を延ばすコツを徹底解説!
失った歯の機能を回復するためにインプラントを希望する人が多くなっていますが、「インプラントはどのくらい持つのだろう」と心配になる方もおられます。
天然歯の代用品とはいえ、人工物であることに変わりはなく、当然ながら使えなくなることもあります。
今回は、インプラントの寿命やメンテナンス方法、使えなくなった場合の再手術についてご紹介します。
インプラントの寿命はどれくらい?
インプラントは長持ちするという印象をお持ちの方は多いですが、実際のところインプラントの寿命はどれくらいなのでしょうか?
ここでは、インプラントの平均寿命と、入れ歯やブリッジと比較したときの特徴についてご紹介します。
インプラントの平均寿命は一般的に10年前後
インプラントのメーカーや素材によって多少の差はありますが、日本の歯科医院で使用されているインプラントの平均寿命は10年前後と言われています。
ただし、この寿命の目安は、一般的に通常の使用で自然に外れる状態を指します。
また、上部構造と呼ばれる実際に歯の役割を果たす部分の摩耗具合も、インプラントの寿命を決める重要な基準です。
インプラントの部位や埋入方法によって多少の差はありますが、おおよそ10年がインプラントの寿命と言われています。
しかし、20年経っても全体の7割のインプラントが使用されているという調査結果もあり、インプラントが長く使えることは間違いないでしょう。
初めてインプラントを受けた患者様が、亡くなるまで41年間使い続けたという事例もあります。
インプラントは失った部分を回復するだけでなく、顎の骨に人工歯根を埋め込むことで天然歯とほぼ同じ機能を回復させることができます。
適切なメンテナンスを行うことで、インプラントは患者様の生涯にわたって使い続けることができるのです。
インプラントが強い理由
インプラントは、土台となる「インプラント体」と、人工の歯を被せる「上部構造」で構成されています。
特に、インプラントの要となるインプラント体は、チタンでできているため硬いものを噛む力にも耐え、機能回復を期待することができます。
上部構造に問題が発生しても、インプラント体の強度が十分であれば人工歯のみを修復すればよいのです。
インプラント体があるからこそ、耐用年数が長いといっても過言ではありません。
入れ歯やブリッジとの比較
入れ歯は4~5年、ブリッジは7~8年の寿命が多いので、インプラントは最も寿命が長いと言えます。
また、インプラントは天然歯に近い素材でできているため、入れ歯やブリッジに比べ審美的な仕上がりが期待できます。
入れ歯やブリッジと比較した場合のインプラントのデメリットは、初期費用が大きくかかることです。
しかし、長い目で見れば、インプラントは経済的であり、審美的な外観を維持することができるため、入れ歯やブリッジと比較して有利と言えます。
インプラントの寿命を縮める原因
ここではインプラントの持ちが悪くなってしまう原因となることについて解説しています。インプラントの寿命が気になる方はぜひチェックしておきましょう。
安価なインプラントが使用されている
インプラント治療の全国的な相場は、1本30万円~40万円です。
1本10万円前後の「安価なインプラント」は、使用する材料が粗悪であったり、手術を行う歯科医師の経験が浅いため、寿命が短くなる傾向があります。
インプラントの埋入が適切でない
インプラントは骨と強く結合しているため、本物の歯と同じように噛む力があります。
しかし、インプラントを埋入する際、適切な位置と深さがなければ、骨とうまく結合しません。
また、インプラントが顎の骨を突き破ってしまい、そもそも骨と結合していないケースもあります。
そうなると、インプラントは噛む力を得ることができず、早期に脱落してしまい、結果的に平均よりも非常に短い寿命になってしまいます。
また、ドリリングが適切に行われないと、骨にダメージを与えてしまいます。これもインプラントの結合がうまくいかず、脱落の原因になります。
いずれの場合も、痛みや腫れなどの症状が長引きやすく、日常生活に支障をきたすため、注意が必要です。
不適切な噛み合わせの調整
不適切な噛み合わせの調整により、特定の歯に負担がかかってしまいます。
その歯がインプラントの人工歯である場合、外れたり壊れたりする危険性があります。
また、噛み合わせが不適切だと細菌感染のリスクも高まるため、医師の指導のもと、正しい噛み合わせにすることが大切です。
定期的なメンテナンスの未実施
インプラント治療後に歯科医院で定期的なメンテナンスを行わないと、インプラントの寿命が短くなることがあります。
インプラントの周りに汚れが溜まり、それを放置していると、細菌感染を起こし、インプラント周囲炎という歯周病と同様の問題が発生する可能性が否定できません。
インプラント周囲炎になると、インプラントの寿命が短くなり、脱落してしまう可能性が高いです。
インプラントの寿命を延ばすためには
医療技術が進歩しても、インプラントは永久に使えるわけではありませんが、患者様の努力次第で寿命を延ばすことができます。
これは、インプラントをできるだけ長く使い続けるために、とても重要なことです。
以下のポイントがインプラントの寿命を延ばすことにつながります。
- 術後のメンテナンスを定期的に受ける
- 適切なブラッシング
- 歯ぎしりや食いしばりに気をつける
- 信頼できるメーカーを選ぶ
- 骨を丈夫に保つ
- 可能であれば禁煙する
術後の定期的なメンテナンスを受ける
インプラント治療がすべて終了したら、術後のケアと合わせて最低でも年2回のメンテナンスを受けるよう歯科医師から指導されます。
インプラントと末永く付き合っていきたいのであれば、その指示に従い、メンテナンスを受けましょう。
インプラントは天然歯と同じような機能を持ち、顎の骨に埋め込むとはいえ、人工物です。
いつ、どのような理由で故障したり、寿命がきたりするかわかりません。
特に、インプラント特有の病気であるインプラント歯周炎のチェックは必須であり、定期的にメンテナンスを受けるだけで予防することが可能です。
周期は年2回、または半年に1回なので、必ずメンテナンスを受けましょう。歯にトラブルが起きてからでは遅いのです。
適切なブラッシング
人工歯は虫歯にならないと思われがちですが、毎日のブラッシングケアを怠るとインプラント周囲炎になることがあります。
歯ぐきとの境目には汚れがたまりやすいので、丁寧に磨いてください。
インプラントに傷がつくと汚れが取れにくくなるので、毛先が柔らかいものを使うか、普通の毛先なら力を抜いて磨くようにしましょう。
歯ぎしりや食いしばりに対処する
インプラントは意外にも極端な負荷に弱く、場合によっては抜け落ちてしまうこともあります。
特に歯ぎしりや食いしばりの癖がある人は注意が必要で、無意識に顎に力が加わり続けた結果、ある日突然インプラントが抜け落ちてしまうことがあります。
ただし、食いしばりや歯ぎしりは、無意識にやっている人や寝ている間にやっている人もいるので、対策が難しい習慣です。
歯科医師と相談する必要がありますが、マウスピースを使用するとよいでしょう。
信頼できるメーカーを選ぶ
インプラントは保険適用外なので高額になりますが、高額な治療=丈夫で長持ちというわけではありません。
最近では手頃な価格で購入できるインプラントもありますが、採用するインプラントメーカーの信頼性を最も重要視されることをおすすめします。
歯科医師から説明を受けたら、メーカーの種類や保証の有無を必ず確認し、納得した上で購入するようにしましょう。
骨を丈夫に保つ
インプラントを長く支えるためには、顎の骨を健康で丈夫にしておくことがとても大切です。
食事でカルシウムの摂取を意識することはもちろん、骨粗しょう症になりやすい糖尿病の予防も忘れずに行いましょう。
可能であれば禁煙する
インプラント治療を受ける前の段階で説明されることですが、喫煙はインプラント治療や術後のメンテナンスに影響を与えることがあります。
喫煙習慣のある方は、インプラント治療を受ける前にタバコの本数を減らすか、可能であれば禁煙するようにしましょう。
インプラントの寿命が長い歯科医の特徴
最後に、インプラントを長持ちさせたい人が選ぶべき歯科医院の特徴を取り上げます。
インプラント実績が豊富
同じインプラント治療でも医師の腕によって寿命が異なることがあります。
腕の良い医師なら人工歯が緩むことなくしっかりと固定できるため、術後のトラブルが発生する確率が大幅に減少します。
滅菌・感染予防対策が万全
インプラントを埋入した後は、クリーニングやインプラントの状態を確認するために、定期的に歯科医院に通う必要があります。
インプラントには細菌感染のリスクが高いため、滅菌・感染予防対策が徹底されている歯科医院を選ぶことが大切です。
信頼性の高い医療器具を使用している
信頼性の高い医療器具は形状が優れているため、インプラント周囲の炎症が起こりにくいのが特徴です。
また、強度も高く、食いしばりや歯ぎしりの影響も受けにくいです。
保証期間を設けていること
インプラント手術後に保証期間を設けているのは、インプラントを長持ちさせるためのこだわりの証です。
さらに、インプラントのメンテナンスに自信があることの表れでもあります。
さらに、インプラントに予期せぬトラブルが発生した場合にも、保証期間があることは安心材料になります。
予防歯科を重視している
インプラントを長持ちさせるためには、インプラント周辺の炎症を防ぐことが大切です。
そのため、定期的なメンテナンスや予防歯科を扱っている歯科医院に通うことが鍵となります。
丁寧なヒアリング
インプラントを適切にメンテナンスするためには、歯科医師に歯の状態をなるべく詳しく把握してもらうことが大切です。
そのため、丁寧なヒアリングをしてくれる歯科医院を選ぶことで、きめ細かいケアをしてくれる可能性が高まります。
まとめ
今回は、インプラントの寿命を縮める原因と、寿命を延ばす方法を解説しました。
寿命を縮める原因を避けて寿命を延ばす努力をすることで、長持ちさせることも可能でしょう。
インプラント治療に不安を感じておられる患者様は、いつでもお気軽に森下ベリタス歯科にご相談ください。
→森下ベリタス歯科のインプラント治療